2022年度ルネ鑑賞モニターレポート④「声優朗読劇フォアレーゼン ルクレールの暗殺」

2022年7月10日(日)「声優朗読劇フォアレーゼン ルクレールの暗殺」に寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。
今回の公演の演目は、「声優朗読劇 フォアレーゼン ルクレールの暗殺」でした。
「声優朗読劇」とは?「フォアレーゼン」とは?と、私にとりまして初体験の文字が並んだ公演でしたが、とにもかくにも会場に赴きました。そして、そこには「異文化との遭遇!」と言える体験がありましたので、今回はその辺を丁寧にお伝えしたいと思います。
まず、この公演は、私が連想していた朗読劇とは違い、4人の朗読者が、正面に横並びに並び、マイクに向かって、「朗読」というよりは、「言葉だけの劇」を演じていて、観客はそれを聴きながら、観ながら、想像力を働かせて「劇」を楽しむ、というものでした。
私の予想と何が違ったのかというと、まず、舞台奥に、美しいチェンバロが置いてあり、幕開けはその美しい調べから始まりました。チェンバロはピアノより古い楽器で、独特の音色が あり、私が大好きな楽器でしたので、いきなり心を掴まれました。何か新しいものが始まる予兆でした。
次に、声優さん達の迫力ある演技に驚きました。朗々と歌い上げるような朗読とは違い、ここでは、若い声優さんのパワフルでエネルギッシュな声がはじけ、会場に響き渡っていました。 正直、私は場面の展開にはついていけなかったのですが、そのエネルギーには圧倒されました。 (会場で、すべての台詞が書かれた台本が売られていることを後で知りました。)
3番目は、この劇の脚本は、中野順哉氏と書かれていますが、演出者の名前は無く、おそらく、登場する声優さんが自分の担当場面を演出しているという印象でした。なぜなら、休憩後のトークショーで、声優さん達が、「〇の場面を僕はこう演じた」とか、「△さんのあの場面はすごく良かった。」などと、互いに褒め合ったり、自分の場面の説明をしあっていたりしていたからです。つまり特定の演出者の指示に従って出演者が演じているのではないということだと理解しました。それは今まで親しんできた演劇の枠から飛び出た印象がありました。おそらくそれが、「フォアレーゼン」の試みなのだろうと思いました。つまり、演者が変われば、違う劇が見られるということだと。そして、声優さんたちがとても自由に発言していて、その発言に観客が何度も拍手で応じていました。
観客といえば、休憩時間に周りを見渡して、とても驚いたことは、多くが若い女性だったことです。私のような高齢者は一人もいなく、男性に至っては、女性の中に少しだけ若者が混じっていたという印象でした。これは、最近の声優さん人気の表れであろうと想像しました。
軽いカルチャーショックを感じながら、今回もまた、鑑賞モニターをさせて頂いてなかったら、観ることはなかったであろう公演を鑑賞することができて、私の世界を広げて頂いた思いが強く残りました。こうした新しい試みが一つ一つ生まれ、人々の目に留まり、精査されて、より高みへと磨き上げられることを願いつつ、この異文化との強烈な遭遇を今も反芻し、 感謝しています。
(70代女性モニター)
若い声優さんによる朗読劇だったため、来場している方は若い方が多かったです。今回の内容は若い人にもルネこだいらのことを知ってもらえる良い機会だったと思いました。
照明やスモークなど、舞台全体が作品の世界観を表していて、始まる前からワクワクしました。4人しか出演者がいないのに、同じ方でも声がガラリを変わるので、人物が変わったことが分かり、たくさんの登場人物を演じ分けていることにプロの声優さんのすごさを思い知りました。ルクレールの暗殺という実際にあった出来事をもとに、全然違う内容のフィクションになっていて、どのような展開になっていくのか興味深く最後まで聞けました。チェンバロの音色もこの話を盛り上げていたと思います。
後半のトークショーでは、声優さん同士、仲が良いのが伝わってきて、テンポよく話が進み、面白かったです。チェンバロ奏者の中野振一郎さんがトークショーで1曲演奏してくださったのもとてもよかったです。
森久保さんが出演できなくなっても、代役を立てて行ってくださったこと感謝しています。初めての朗読劇楽しかったです。
(40代女性モニター)
7月10日 声優朗読劇フォアレーゼン ルクレールの暗殺の詳細は、こちらのページをご覧ください。
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