2022年度ルネ鑑賞モニターレポート⑪「やぎりんトリオ・リベルタ 自由な風コンサート」

2023年2月20日(月)「やぎりんトリオ・リベルタ 自由な風コンサート」に寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。
アンデスのケーナ、パラグアイのハープであるアルパ、ラテンのギターと国の違う3種類の民族楽器の「やぎりんトリオ・リベルタ」の演奏会でした。やぎりんこと八木倫明さんが小平と自分の関わりやオリジナルアレンジの曲ばかりなど今回の演奏についての話を面白おかしくしていて、最初からどんな演奏会になるのか興味をもって聴くことができました。また、パンフレットに演奏者一人一人のプロフィールの他に一曲ずつ詳しい解説が書かれていたので、事前に曲についての背景がわかりより楽しめました。

どれも南米の楽器なので、馴染みのあるラピュタの曲もまったく違う南米の音楽のように聞こえ、アレンジや楽器でこんなにも違うのかと驚きました。『牛乳パック列車』という曲では、出発の汽笛や手作りのマラカス、牛乳瓶のぶつかる音など様々な工夫を取り入れた演奏で列車が走っている情景が浮かんできました。読み語りあり、歌あり、ギターの清永アツヨシさん、アルパの藤枝貴子さんそれぞれが作曲した曲あり、やぎりんさん訳詞の曲ありと内容が盛りだくさんであっという間の2時間でした。とても楽しかったです。
(40代女性モニター)

このコンサートほど、「素晴らしかった、楽しかった」と文句なく言えるコンサートは初めてかもしれません。言葉はいらないと思いました。

なぜだろうと考えました。クラシック音楽など、感動したり、すごいと思ったりは何度もあるのですが、それとは違って、この公演に終始心奪われたのは、「楽しい!」と心底感じたこと、体が自然に動くような一体感を楽しめたことだと思います。

まず、3人(時には4人)の合奏が、風景が目の前に浮かぶような軽やかな心地よい演奏であったことです。民族楽器のケーナ、ナイ、アルパといった楽器にギターと歌が加わり、異国の雰囲気が醸し出され、世界とつながったような解放感と、心を包み込まれるような安心感がありました。16曲もの曲目を、説明を交えながら次々に演奏され、あっという間に終わってしまった、と心残りに思っていたら、なんとアンコールに3曲も演奏してくださいました。曲の説明は口頭と、パンフレットに書かれたものとで、とても分かりやすく、歌詞の意味も理解しながら聴くことができて、感動がさらに広がりました。特に、「広い河の岸辺」の解説は心に残っています。また、特にリズム感がとても良いと感じました。軽やかで楽しいと感じたのは、そのリズム感の良さが大いに貢献していると思います。

次に、やぎりんさんが、今日のコンサートが満席だったことに全身で喜びを爆発されていました。そのやぎりんさんを見て、こちらも嬉しくなりました。帰りに出口の所で、ルネこだいらのスタッフの方も、とても嬉しそうに「今日は完売で」と顔をほころばせていらっしゃいました。演奏者・観客・主催者や会場のスタッフの、すべての皆さんで喜べた時間だったのは、コロナでの辛い時期をやっと超えたという、貴重な共通体験がもたらしたものだったと思います。

コンサートが終わった後、観客の方々が口々に、「私は『コンドルは飛んで行く』が良かったわ」「私は『埴生の宿』」などと楽しそうに語らいながら帰途についていて、私も心の中で、「私も『コンドル』!」と呟きながら帰宅しました。孫たちへの本のお土産を携えて。

最後に、パンフレットに書かれていた「音楽家にとって、音楽は『仕事』ではなく『使命』である」というメッセージを私は違和感を覚えることなく、納得して受け止めました。楽しさの中にも真剣な思いが感じられたので。またいつかどこかで聴けることを願っています。

アンコールの演奏の前に、やぎりんさんが、アンコールの間は写真を撮ってもいいですよと仰ったので、何人かの方がカシャカシャとスマホで写真を撮られていました。私も。その時に気づいたことがあります。もしクラシックのコンサートで写真を撮る人がいたとしたら、多分不快に感じるでしょうし、マナー違反と感じたと思うのです。しかし、アーテイストの方が許可された今回の場合は、スマホの音に不快感はなく、まるで楽器の一つとして演奏に加わっているかのような自然さを感じました。その発見に驚きました。それはきっとこのコンサートが観客をも引き込む、感動を与えてくれたからではないかと思われてなりません。どのコンサートでも感じるかというとそうではないと思いました。観客を巻き込み、会場全体が一つになったライブ演奏の素晴らしさを感じました。
(70代女性モニター)
2月20日 やぎりんトリオ・リベルタ 自由な風コンサートの詳細は、こちらのページをご覧ください。
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