2023年度ルネ鑑賞モニターレポート⑨「フレッシュ名曲コンサート ガーシュウィン×シベリウス」

2023年11月25日(土)「フレッシュ名曲コンサート ガーシュウィン×シベリウス」に寄せられたルネ鑑賞モニターレポートを抜粋でご紹介します。
ようやく小平の秋も深まり、「晩秋に贈る協奏曲の響宴」に相応しい季節となりました。演奏会の前には楽器を体験できるコーナーがありチェロに挑戦しました。聴くと弾くのでは大違いでしたが、団員さんの優しい手ほどきを受け、チェロの響きが少しだけ身体に伝わりました。こういうコーナーも楽しいですね。

第1部の目玉は何といってもガーシュウィン作曲「ラプソディ・イン・ブルー」です。クラリネットの物憂げなメロディから始まり、大崎由貴さんの鮮やかなピアノの音色が広がって一気に気持ちが高まりました。クラッシックとジャズの融合といえるのでしょうか。雄大なオーケストラのメロディの中にもユーモアさを、カデンツァにはジャズを、そして全体を通じてニューヨークのキラキラした空気を感じました。ドラマ「のだめカンタービレ」で好きになった曲ですが、眼の前で繰り広げられるオーケストラとピアノのセッションは俄然迫力が違います。やはり生演奏は最高ですね。

第2部は服部百音さんによるシベリウス作曲「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」を堪能しました。初めて聴くコンチェルトでしたが、北欧の澄み切った空気を切り裂くような百音さんのダイナミックな音色に冒頭から圧倒されました。全体的に難しい技巧の多い曲と思いますが、全身から情熱が湧き出るような百音さんの演奏スタイルにも圧倒されました。会場の空気も熱を帯び、演奏後も拍手が鳴り止みませんでした。百音さんのアンコールを2曲も聴くことができて嬉しかったです。

ガーシュウィンとシベリウスというほぼ同世代に生きた作曲家による名作、そして今をときめく若き演奏家による響宴は本当に贅沢であり、芸術の秋を堪能した一日となりました。
(50代女性モニター)
音楽なのに凄いものを「見せて」いただいたというのが強い感想です。

服部百音さんのヴァイオリンソロと100名近いオーケストラがまるでジャズのセッションのように自由自在に音を溢れさせ、ステージの中に見事に絡み合った美しい音が流れているようでした。

それを可能にしたのは、指揮者 大井剛史さんによるものだと思いました。その独特の指揮棒の振り方、ある時はアヒルの羽のように両手を広げそして飛び跳ね、ある時は両手で大河を現す大きなアクション。

また服部百音さんの演奏もロングドレスを着ているとはいえ、脚を大きく開き力を込めて演奏。終わったとき服部さんのヴァイオリンが当たる肩の部分が赤く腫れていましたね。そのヴァイオリン奏者の熱量の強さを改めて感じました。

ピアノ大崎由貴さんもまた大オーケストラとのセッションは、このような表現方法があっても良いのだという気づきと楽しさを教えてくれました。 そして今回のトップを飾った、コープランド:市民のためのファンファーレは、金管楽器と打楽器のみの珍しい編成でした。しかしその力強い「ファンファーレ」は少し寒くなった季節と共にくる年に向けての元気を頂きました。
今回もありがとうございました。
(60代女性モニター)
11月25日 「フレッシュ名曲コンサート ガーシュウィン×シベリウス」の詳細は、こちらのページをご覧ください。
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